こんにちは、木場本圭司です。
普段は住宅の構造、断熱、気密など、性能に係る部分の設計を担当しております。
このブログでは、当社せこ住研の建てる住宅の構造についてのシリーズとして解説していこうと思いますので、これから家づくりを進めていきたい方にぜひ参考にしていただきたいです。
柱と梁の役割
先ず、せこ住研の特徴でもある太い柱・梁(はり)について。
かんたんにいえば地面から垂直方向に家を支えるのが柱、天井や床などに水平方向に施工して屋根や床の重荷を支えるのが梁です。
柱に関しては使う場所によっていろいろな種類がありますが、2階以上の木造建築の柱のうち一本で土台から軒まで通っている柱のことを通柱(とおしばしら)と呼びます。この柱は、建物の四隅など構造上重要な位置に使われる柱のことです。
せこ住研で標準より太い柱を採用する理由
一般的な住宅では4寸角とよばれる12センチ四方の柱が使われていることが多いのですが、せこ住研では通柱には標準で桧の6寸角とよばれる18センチ四方の柱を使用しています。
なぜ6寸角の様な、標準よりも1.5倍も太い桧の柱にこだわるのか?そこには明確な理由があります。
柱と梁を接合するには、柱に穴を空けて梁を差し込むのですが、柱が細いと穴をあけた部分の強度が極端に小さくなります。
その結果、家の耐久性が落ちてしまうことにも繋がってしまうことがあるのです。
大きな地震で倒壊した2階建ての殆ど(写真①②)がその接合部分で折れてしまったことが原因です。
少し悲惨な画像ですが、ぜひご覧いただきたいです。
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いかがでしょうか?
せこ住研で家を建ててくださったお客様には、このような悲惨なことには絶対になってほしくない。そういった思いで柱には通常よりも太い木材を採用しているのです。
実は数百年続くような古民家でも太い木材が使われている
この写真をご覧いただければ、柱が太くなるほど、穴を開けても構造的なダメージが少なくなることがお分かりいただけると思います。例えば、同じ大きさの穴を開ける場合でも、柱が太ければ残る材の量が多くなるため、強度が維持されます。そのため、私たちは強度と安全性を重視し、6寸角の太い柱を採用しています。
また、数百年もの間、建ち続けている古民家が太い材を使っているのも、この原理を理解していたからに他なりません。伝統的な建築物は、長年にわたる経験と知恵から生まれたものであり、その頑丈さは現代にも通じるものがあります。実際に、古民家を訪れると、太い柱や梁が美しく組まれ、時間の経過にも耐えている様子を見ることができます。
私たちは、このような伝統的な技術と現代の技法を融合させることで、安心・安全で長持ちする家づくりを目指しています。
それでは次回もお楽しみに。
このブログを書いた人