住宅の構造へのこだわり基礎講座 ③基礎断熱

2025/01/29

こんにちは、木場本圭司です。

普段は住宅の構造、断熱、気密など、性能に係る部分の設計を担当しております。

このブログでは、当社せこ住研の建てる住宅の構造についてのシリーズとして解説していこうと思いますので、これから家づくりを進めていきたい方にぜひ参考にしていただきたいです。

それでは前回の②「基礎」編に続いて、③「基礎断熱」編です。


基礎断熱とは?

基礎断熱とは、建物の基礎部分(コンクリートの立ち上がりやスラブなど)に断熱材を施工する方法のことを指します。

せこ住研では、家をまるごと外側から断熱する外張り断熱工法を採用しており、基礎部分についても外側に断熱材を施すことで、建物全体を“すっぽり”と包み込むようにして熱を遮断しています。

施工方法も後から貼り付けるのではなく、コンクリートを打設する前に型枠にセットして基礎と密着させます。

外張り断熱のメリット

✔️断熱欠損(断熱材が入っていない部分)が少ない
建物の構造を外側から覆うため、継ぎ目が少なく、熱の逃げやすいすき間を極力減らせます。

✔️壁体内部の結露リスクが少ない
外側で熱を遮断することで、壁の内部と外気との温度差を減らし、結露を抑えます。

✔️気密性能が確保しやすい
隙間なく施工しやすい工法のため、気密のレベルを高く保ちやすいです。

✔️壁の中が自由に使える
断熱材が壁内部を圧迫しないので、配線や配管などもレイアウトしやすくなります。

せこ住研では、この外張り断熱を約30年前から採用し、豊富な実績を積み上げてきました。


基礎断熱と床断熱の違い

一口に「床や基礎を断熱する」といっても、主に「床断熱」と「基礎断熱」の2種類があります。両者の違いはどこにあるのでしょうか?

床断熱

✔️スラブや基礎の上に造作される床組の“床板の下”に断熱材を入れる工法。

✔️断熱の対象が主に床板の直下となるため、基礎(コンクリート立ち上がり)の外側には断熱材がない。

✔️床からの冷気や熱気を遮断することはできるが、基礎内部や基礎周りの空間は外気温の影響を受けやすい

基礎断熱

✔️基礎コンクリートの外周部に断熱材を施す工法。

✔️建物全体を外側で覆う“外張り断熱”においては、基礎部分も連続的に断熱することで、基礎を含めた建物全体を一体的に断熱

✔️床下空間が外気温と遮断されるため、床下も室内環境に近い温度帯になりやすい。

つまり、床断熱は「床と室内空間の断熱」に特化するのに対して、基礎断熱は「建物のコンクリート基礎から含めて一体的に断熱する」イメージです。せこ住研のように外張り断熱工法を採用すると、熱の逃げ道をさらに少なくできます。


シロアリ対策に強い断熱材を使用

基礎断熱をする際、皆さまが気にされるポイントの一つがシロアリ対策です。しかし、せこ住研では「土に触れる部分」に対しても問題なく施工ができる、本州の東北より南側のシロアリが生息する地域でも安心して使える断熱材を採用しています。

その秘密は、ホウ酸の成分を製造段階で断熱材に含ませてあるため、シロアリが触れると死んでしまうという点にあります。ホウ酸は哺乳類にはほぼ無害(毒性としては食塩と同じくらい)で、ゴキブリ駆除剤として有名な「ホウ酸団子」にも使われている物質です。


5年ごとの薬剤散布が不要!10年保証も可能

一般的にシロアリ対策といえば、写真のように薬剤を散布する方法が主流です。しかしこの方法では、5年ごとに薬剤を散布しないとシロアリ被害に対する保証を受けられないというケースが多くあります。

一方、せこ住研が採用しているホウ酸入り断熱材を使った工法では、薬剤散布不要でシロアリ被害に対する10年の保証が付いています。さらに、現在の工法になってからのシロアリ被害はゼロです。


まとめ

基礎断熱は、建物の足元からしっかりと断熱をすることで、冬は床下からの冷え込みを抑え、夏は外気の熱を遮断する重要な要素です。床断熱と比べて基礎断熱は建物全体を一体的に守ることができ、さらなる快適性と耐久性をもたらします。

さらに、せこ住研の外張り断熱工法では、シロアリ対策の不安も一挙に解消。30年以上の実績に裏打ちされた確かな技術で、皆さまの大切な住まいを長く快適に保ちます。

次回の講座では、また別の角度から住宅構造へのこだわりについてご紹介していきます。どうぞお楽しみに!

このブログを書いた人

木場本 圭司
木場本 圭司

設計(構造・温熱環境)・各種申請・現場監理 / 一級建築士

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