窓の外まで設計する——「借景と採光」の設計|せこ住研の設計思想④

2026/05/18

こんにちは、せこ住研で設計を担当する木場本菜穂です。

設計思想についてお話する本シリーズの第4回です。
前回は「回遊動線」についてお話しました。

今回は、「窓の取り方」や「借景」についてのお話です。


窓の外の景色を、暮らしに取り込む

せこ住研では、「借景」という考え方を大切にしています。

借景とは、敷地の外にある景色を室内に取り込むことで、空間の一部として感じられるようにする手法です。

隣の畑や木々、遠くの山並みなど、もともとその場所にあるものを活かしながら、窓の位置や大きさを決めていきます。

こちらT町の住まいでは、西側の窓から隣の畑が見えるように計画し、やわらかな景色が日常の中に入ってくるようにしています。

またI市の高台の住まいでは、2階の書斎から山々を望めるように間取りを考えました。


光と風の通り道をつくる

窓の役割は、景色だけではありません。

光や風をどう取り込むかも、とても大切なポイントになります。

南側に大きな窓を設けるだけでなく、北側にも窓を設けて風の通り道をつくったり、吹き抜けや階段を通して光を上下階に届けたりと、立体的に考えていきます。

こちらT市の住まいでは、吹き抜けを設けずに南北に窓を配置することで、しっかりと光を取り込みながら風も抜ける計画にしました。階段の上には窓の開閉も出来るようにとスリット上の床を設けて腰壁も部分的にくり抜きまわり階段が暗くならないように工夫しています。



またこちらT町の住まいでは吹き抜けをリビングから2階ホールや階段とつなげることで、家の中全体にやわらかい明るさが広がるようにしています。


家のどこにいても、気持ちよく

こうした光や風、景色の取り込み方は、リビングだけでなく家全体に関わってきます。

寝室や書斎、階段や廊下など、それぞれの場所でも外とのつながりを感じられるように考えています。

こちらのS市の住まいでは、和室やリビングだけでなく階段や2階ホールからも眺めを楽しめるように計画しました。


窓の先まで考える設計

窓は、ただ明るさを確保するためのものではなく、暮らしの質を大きく左右する要素です。

「窓の外に何が見えるか」
その視点から設計を始めることで、その土地ならではの魅力を住まいに取り込むことができます。そのため、プランを考えるときは必ず現地に足を運んで、そのお客様の暮らしを想像していく必要があります。

外の景色や自然は、日々の暮らしを豊かにしてくれる大切な存在です。


いかがでしたでしょうか?
今回は借景と採光についてお話してみました。

次回のブログもお楽しみに。

このブログを書いた人

木場本 菜穂
木場本 菜穂

設計・積算・現場管理 / 二級建築士

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