本棚階段のあるガレージハウス
松阪市
家族が集まれる広いリビング~階段が溜まり場になるように設計した。
階段上の方に見える小窓から、読書している家族を見守る光景をイメージ。
階段でもありベンチでもある、その場所はこだわりの桧の無垢材。桧の香りにつつまれてリラックスしながら読書ができる。
ガレージからポーチを介して雨に濡れずに玄関へ。ガレージ右手に見える掃き出しは楽器の搬入搬出を考慮している。
入れ子構造の音楽室。防音性を高めるべく、家本体との間に空間を設けているので10帖の構造体に対して室内容積は約8帖となっている。楽器の搬入などを考えガレージより掃き出し窓を採用している。
パントリーとトイレの壁には輸入壁紙を使いアクセントに。
蔵書が増える一方なのが読書家の悩み。二階手すりも本棚にすることで来る日(笑)に対応した。子ども部屋前のスペースに配置することで、子どもたちの読書欲も満たしてくれる。
建築概要
敷地面積 | 522.4㎡(158.0坪) |
床面積 | 1階143.2㎡(43.3坪) 2階61.0㎡(18.4坪) 計204.2㎡(61.7坪) |
この家を設計した人
設計士のコメント
住宅密集地ということもあり計画当初より二階リビング案も施主様より相談を受けたが、奥行きのある広い土地だったので、一階リビングでも十分に落ち着きのある生活が出来ると判断、計画がスタートした。
家族(親族)の集える広いリビング、たくさんの蔵書、音楽室、ガレージなどヒアリングをするなかで施主様の要望を明確にしていった。住宅前面にガレージを配置することで隣家からの視線をカットするよう計画した。ガレージから直接玄関へとアプローチできる設計である。
施主様は家族揃って読書家ということもあり、書籍の収容量はもとよりどのように日々本と付き合っていくか設計上強く意識した。仲のいい施主様家族が階段に腰掛け本を読み、キッチンの家族と会話し、リビング、階段を見渡せる小部屋から誰かが顔をだすようなそんな家にしたいと思った。
(開放的な空間で読書を楽しめるリビング階段は高気密高断熱技術の賜)
また、防音室も本邸のハイライトである。趣味でピアノを嗜む施主様は防音室を製作した。二重土間、入れ子構造の室内空間によって構造的に他の部屋と縁を切ることによって高い防音性を確保できるようにした。(自邸内には少し音が漏れてもいいとのことなので木製防音ドアにしてあるが、金属製のドア等に換装することによってより高い防音性を発揮するように計画してある)
松阪市で歴史のある地区に位置し、外観の形状や色合いなど行政に求められる部分もあったが、私たちの日頃設計している家づくりで要求に十分に応えられたように思う。
竣工から半年が経ち、木々の芽吹きが家の表情を一層豊かにしている。