
こんにちは、せこ住研で設計を担当する木場本菜穂です。
設計思想についてお話する本シリーズの第2回です。前回は当社の一番のこだわりでもある自然素材・無垢材についてお話しました。
今回は、建物を設計するうえでの土台となる「土地」についてのお話です。土地の広さや形状によって、建てられる家は大きく変わってきますので、実はとても重要なテーマです。
困難な条件は、設計のヒントになる
家づくりを始めるとき、多くの方が「いい土地を見つけてから」と考えます。しかし、立地、広さ、予算などの条件を考えすぎると、いくら待っても理想の土地が見つからないこともしばしば。
そこでせこ住研では「今あるこの土地で、何ができるか」を考えることに時間をかけます。
例えば、「崖条例が絡む高低差のある敷地」「間口が6.6mしかない細長い土地」「風致地区で建蔽率が40%しか認められない敷地」など——こうした一見「難しい」条件の土地でも、お客様に満足していただける家づくりを数多く手掛けてきました。
たとえばこちらの伊勢市に建てたお家では、崖条例・道路斜線・風致地区の規制が重なった結果、前面道路にかなり近い位置に家を建てるしかない、という制約が生まれました。
しかしその制約が、道路からの騒音や視線を気にせず暮らせる、2階リビングというプランを導き出しました。

23帖の広々としたLDKから伊勢神宮の杜を望む、その土地でしか生まれない眺望が実現しています。
土地探しから、設計は始まっている
せこ住研では、お客様の土地探しに同行するケースも少なくありません。間取りをつくる設計士が一緒に土地を見ることで、「この土地なら、こういう暮らしができる」というイメージをその場で共有できるからです。
津市の駅近の土地をご希望されていたお客様の際は、お客様とともに複数の候補地を検討。駅までのアクセスがとても良い場所に見つけた、町屋が建ち並ぶ間口6.6m×奥行40mの細長い土地を提案しました。

この土地の形状を活かして建物を奥に配置し、屋根を片流れと差し掛けにすることで各所に光と風を届ける間取りを実現。
土地の条件を「与えられたもの」ではなく「一緒に決めるもの」として関わるのが、せこ住研のスタンスです。
高低差も、眺望も、緑も——敷地の個性をそのまま家の魅力に
「敷地の欠点」とされがちな要素が、むしろ家の一番の見どころになっているケースも多いです。
松阪市のお客様では、もともと1.5m以上の高低差がある難しい敷地に建築することになり、スロープと擁壁で整備しながら工事を行い、うまく高低差を活かした外構デザインをつくりました。

志摩市に建てられたお客様のときは、木や雑草に覆われた高台の土地をあえて選び、整備後に現れた志摩の町並みへの眺望を、小上がり和室のコーナー窓から楽しめる間取りに変えています。


「どんな土地でも、読み解けば必ずその土地ならではの豊かさがある」——その確信が、せこ住研の設計の起点になっています。
いかがでしたでしょうか?様々な土地に対して家を設計する際の考え方についてお話してみました。
次回のブログもお楽しみに。
このブログを書いた人